建設ニュース

国交省 不良建設業者を排除

工事現場

 

国土交通省は2012年11月19日、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県と合同で今月下旬から、3県に新設された建設業者の営業所を中心に建設業法に基づき立ち入り検査することを決めた。

 

震災の復旧・復興事業が本格化する中、工事能力がないなどの「不良建設業者」を排除するのが目的。震災からの復旧・復興工事を当て込み、工事能力がないペーパーカンパニーなどの「不良建設業者」が進出している恐れがあるため、特別検査で不良業者を排除し、円滑な工事執行の確保と下請けいじめの防止を目指す。

 

被災3県には工事受注を狙う建設業者が全国から進出し、震災後に3県に新設された建設業者の営業所は2011年4月1日から2012年8月31日までで368カ所に上る。立ち入り検査では、このうち67営業所を調べる予定だ。内訳は、岩手県が18営業所、宮城県が33営業所、福島県が16営業所

 

一方、3県では今年1〜10月に、死亡あるいは4日以上のケガなどを伴う建設業の労働災害件数が被災3県で2012年に発生した労働災害は10月末時点で合計953件に達し、前年同期に比べ約2割増加。内訳は、土木工事が263件、建築工事が570件、その他が120件だ。合計16人が死亡している。下請け建設業者からは「元請け業者から代金が支払われない」といった相談が増えているほか、暴力団関係者が建設業では認められない違法な労働者派遣を行ったケースも判明している。

 

今や建設業界は復興特需と呼ばれおり、他の業界よりも非常に景気が良い状態で、暴力団関係者もその中に入ろうとしている。こういった所を見逃しているとますます暴力団自体そのものが減少していかないので今回のこの試みは非常に有効手段かと思われる。

 

国交省はこうした問題の背景に、不良業者の3県への流入があると判断。放置すると工事の質や執行に影響が出る上、良心的な業者の経営圧迫にもつながるとみて、特別検査で不良業者の排除、新規流入の防止を目指す。