建設用語集

過負荷防止装置

移動式クレーンでは、クレーン作業の状態によるジブの長さ、ジブの傾斜角(作業半径)、アウトリガーの張り出し幅と作業領域等に応じて定格荷重が決まっており、定格荷重の範囲内ではつり荷側の転倒モーメントに対し、カウンタウェイト側の安定モーメントは大きいが、ジブを倒していく場合のように、定格荷重を超えるようなことになると転倒モーメントの大きさは、安定モーメントの大きさに近づいてきて、転倒する危険性が出てくる。この為、移動式クレーンではジブの各傾斜角において、転倒モーメントの大きさが安定モーメントの大きさに近づくと、警報を発して運転士に注意を喚起し、コレ以上転倒モーメントが大きくなるつり荷の巻上げ、ジブの下げ及び伸ばしの作動を自動的に停止するようにした過負荷防止装置を備える事になっている。過負荷防止装置は、このように定格荷重を超えることに起因する転倒・破壊等を未然に防止する為の安全装置である。