建設用語集

H形鋼

H形鋼(エッチがたこう)は、断面が『H』形の形鋼である。様々な所で使われている代表的な形鋼である。他の形鋼に比べて、断面効率(重量当たりの曲げ剛性や曲げ強度)が優れている。相場で『形鋼の価格変動』と言う時、この『形鋼』はH形鋼のことである。建物や橋梁船舶などに使われる構造材用と、高速道路建築物岸壁橋梁などに使われる基礎杭用がある。水平ロールと垂直ロールを持つ、ユニバーサル圧延機によって作られる。

『H』の縦2本の部分をフランジ、横1本の部分をウェブと呼ぶ。『H-200(H寸法)×100(B寸法)×5.5(t1寸法)×8(t2寸法)』(例)のように表記される。 H形鋼の日本国内生産量は2004年において、451万6500トン余りとされている(日本鉄鋼連盟調べ)。そのうち、東京製鐵 約34%、新日本製鐵 約18%、JFEスチール 約13%と推計されている。日本でH形鋼の生産が始まったのは1960年代に入ってからであるが、1968年竣工の霞が関ビルで極厚のH形鋼が大量に使用されて以降、急速に普及した。 H形鋼の形状・寸法はJIS G 3192およびJIS A 5526(杭用)で規格が定められているが、それ以外の寸法のものも、薄肉で軽量のものから極厚のものまで各メーカーで多くの種類が生産されている。また、鋼板を溶接でH形断面に組み立てた鋼材ビルトH)が使用されるケースも多い。