建設ニュース

建設現場用の防犯装置

カメラやセンサーが一体になっていて誰でも簡単に移動や設置ができる建設現場用の防犯装置を、岐阜市の建設業者が開発した。「防犯会社に頼らない手軽な装置を」という現場の意見を反映した製品で、資材盗難の被害減少に役立てたいという。

商品は玉田建設(同市大洞)が開発した「タイガード」。高さ約3メートルのポール型で、先端に動画を記録できる赤外線カメラと、90度の範囲を12メートル先まで感知するセンサー、警報器、スピーカーが付いている。3分割して持ち運びができ、組立・設置は特殊な技術を使わずに1時間ほどで可能。

特徴は、携帯電話と連動できること。センサーで侵入者を感知すると、担当者の携帯に異常が通知され、同時に赤外線カメラの動画を見ることができる。さらに、携帯を通じてマイクで侵入者に音声で威嚇もできる。

開発のきっかけは、同社が2009年の春にあった2度の盗難被害だった。岐阜市内の河川工事現場で合計200万円分の銅線を盗まれた。すぐに防犯装置を設置しようとしたが、希望に合う製品が見つからなかった。

既製品は防犯会社が設置するものがほとんど。カメラやセンサーが分かれており、配線が複雑なため工事の進展に応じて移動させることが困難だった。玉田弘毅社長(41)は「現場としては自分たちで手軽に設置し、監視範囲を自由に移動させたい。既製品にないならば自分で作ろうと思った」と当時を振り返る。

名古屋市の防犯機器製造会社にアイデアを伝えて製造を依頼。今年4月に完成した。

玉田社長は「建設業者が防犯装置を開発するのは珍しいのでは。全国的に多い作業現場での盗難被害防止に役立ててほしい」と話している。

リースは月額1万500円からで、販売価格は98万円。既製品よりもリースで月額5000から1万円、販売で40万から50万円安い。「ポールタイプ」に加えて、作業用足場に取り付ける「足場用タイプ」もある。問い合わせは玉田建設=電058(243)1014=へ。