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東京のH形鋼、続落

東京地区のH形鋼は建築需要が停滞する中で続落し、相場は2010年11月以来の安値圏に入った。東京製鉄が7月販価を大幅に引き下げたことを受け、流通・加工業者には秋口までに着工する案件の引き合いや見積もりが寄せられているようだ。ただ、市中に在庫のひっ迫感はない。高炉の値上げ玉も入荷しているが、価格転嫁には否定的な見方が多い。市況を下支えするには勢いが足りず、反転上昇には遠く及ばなかった。

足元の市中実勢価格はベースサイズでトン当たり7万1000―7万2000円どころとなり、前週より1000円落ち込んだ。一部では7万円を割る取引も見られる。大規模建築プロジェクトなど物件向けの価格交渉も難航しているもよう。短期での相場回復は望めない状況だ。
それでも、高炉は「小口案件は緩やかな回復基調にある」との感触を示す。H形鋼を用いる鉄骨造(S造)の建築着工統計は4月実績で3カ月ぶりに好転。