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鉄骨使わず平安・鎌倉時代の技術採用

清水建設明治神宮外拝殿の耐震補強工事

清水建設は12日、明治神宮(東京都渋谷区)で進めている外拝殿の耐震補強工事が9月末で終了すると発表した。平安時代や鎌倉時代に使われた木造技術の粋を結集し、鉄骨補強抜きに、外観を全く変えずに改修している。こうした工事例は、国内の寺院仏閣で初めてという。清水建設はこの工事で技術力をアピールし、景気変動に左右されず安定需要が見込まれる寺院仏閣分野の受注拡大を狙う。

1958年に再建の外拝殿は築後50年超が経過。耐震補強工事は今年2月から始められ、震度7の地震に耐える耐震性能に引き上げる。

柱を水平方向につなぐ「長押」の強化には、平安時代の補強技術を使ったほか、壁同士を結びつける板と板の間には鎌倉・室町時代に用いられたずれ防止材「ダボ」を使った。ダボは浄土寺や銀閣寺の棟やお堂の建立時に使われたが、室町時代以降は施工例がないとしている。清水の受注額は1億5000万円。