建設用語集

揚程

揚程とは、ジブの長さ、ジブの傾斜角に応じて、フック、グラブバスケット等のつり具を有効に上下させることができる上限と下限との間の垂直距離をいう。地上面から上の揚程を地上揚程、地上面から下の揚程を地下揚程、地上揚程と地下揚程を合わせた揚程を総揚程という。有効に上下とは、巻過警報装置や巻過停止装置が機能しない距離をいう。つり具を最大に巻下げた時は、巻上ドラムにワイヤロープが最低2巻以上残っていなくてはならない。これをロープの捨巻きと呼び、 ワイヤロープの摩擦力でロープの取付部分に大きな力が作用しないようにするものである。 捨巻きは、移動式クレーン構造規格で2巻以上と定められている。したがって、ドラムに捨巻きを残し、つり具を有効に上げ下げできる上限と下限との間の垂直距離が揚程になる。 地下揚程は、ドラムに巻かれているワイヤロープの長さに限界があるため、ワイヤロープを巻下げる時は注意しなければならない。